映像制作の企画書、どう書く?
通る企画と通らない企画の差。
「いい企画を出したはずなのに、通らなかった」。
その原因はアイデアの良し悪しではなく、
企画書の「書き方」と「視点」にあるかもしれません。
通る企画書には共通する構成と考え方があります。
企画書は「自分が作りたいもの」を
書く場所じゃない
映像クリエイターが企画書を書くとき、
よくあるのが
「自分が作りたいもの」を中心に書いてしまうパターン。
「こういう映像を作りたい」
「こんな演出がかっこいい」
「こういうテイストが流行っている」。
気持ちはわかりますが、
クライアントが企画書で知りたいのはそこではありません。
「この映像で、自分たちの課題がどう解決されるのか」。
これが唯一の関心事です。
採用動画なら「応募者が増えるか」。
商品プロモーションなら「売上につながるか」。
企業紹介なら「信頼感を持ってもらえるか」。
クライアントの課題から逆算して、
映像で何を実現するかを提示する。
これが企画書の本質です。
通らない企画書に共通する
3つの特徴
まず、通らない企画書のパターンを知っておきましょう。
自分の企画書にこれが含まれていたら、見直すサインです。
① 「何を作るか」しか書いていない
・60秒のプロモーション動画を制作します。
・ドローン撮影とモーショングラフィックスを使用します。
これでは「何を作るか」はわかりますが、
「なぜそれを作るのか」
「それでどうなるのか」がわからない。
クライアントが欲しいのは映像そのものではなく、映像によって得られる結果です。
② 専門用語が多すぎる
カラーグレーディング、Lut、フレームレート、ビットレート。
僕たちにとっては日常語でも、
クライアントにはピンとこない言葉が多いです。
企画書を読むのは映像の専門家ではなく、企業の担当者や経営者。
「誰が読んでもわかる言葉」で書くことが大前提です。
③ ゴールが曖昧
「ブランドイメージを向上させる映像」
「印象に残る動画」。
こういう表現は一見よさそうですが、
具体的に何がどうなれば成功なのかが見えません。
「採用ページからの応募数を現在の月10件から20件に増やす」
「展示会ブースでの滞在時間を30秒以上伸ばす」
このくらい具体的なゴール設定があると、
クライアントは「この人はわかっている」と感じます。
通る企画書の構成テンプレート
企画書に決まったフォーマットはありませんが、
この6つのブロックを順番に書けば、説得力のある企画書になります。
ブロック① 課題の整理
クライアントが今抱えている課題を、
自分の言葉で整理する。
「御社の課題はこうですよね」と
言語化してあげるだけで、
信頼感が一気に上がります。
書き方の例:
「現在、採用ページへのアクセスはあるものの、応募完了率が低い状態です。
会社の雰囲気や働く人の姿が伝わるコンテンツがないことが、
応募をためらう要因の一つと考えられます。」
ブロック② 映像で解決する方法
その課題に対して、
映像でどうアプローチするかを提示する。
「なぜ映像なのか」という理由も添えると、さらに説得力が増します。
書き方の例:
「社員インタビューと日常の業務風景を組み合わせた2分の採用動画を制作します。
テキストや写真では伝わりにくい『職場の空気感』や『人柄』を映像で可視化することで、
応募者の不安を解消し、応募完了率の向上を目指します。」
ブロック③ 映像の構成・内容
ここで初めて「何を作るか」の具体的な内容を書きます。
秒数、構成、出演者、撮影場所などを
わかりやすく記載しましょう。
尺:本編2分 + ショートver.30秒(SNS用)
構成:オープニング → 社員インタビュー3名 → オフィス風景 → メッセージ → エンディング
出演:社員3名(現場スタッフ・中堅・管理職)
撮影場所:オフィス + 休憩スペース
テイスト:自然光を活かした温かみのある映像。ナレーションなし、テロップで補足。
ブロック④ スケジュール
全体のスケジュールを
ざっくりでも提示する。
クライアントは
「いつ完成するか」を必ず気にしています。
企画・構成確定:1週間
撮影:1日(半日リハ + 半日本番)
編集・初稿:2週間
修正・納品:1週間
合計:約4〜5週間
ブロック⑤ 費用
見積もりを項目別に記載する
。
一式でまとめるより、
項目を分けた方がクライアントは安心します。
「何にいくらかかっているか」が見えると、納得感が違います。
ブロック⑥ 自分を選ぶ理由
最後に、「なぜ自分に頼むべきか」を簡潔に。
過去の実績、得意分野、
この案件に対する想い。
企画書の最後に
「自分を選ぶ理由」を添えることで、
ただの提案書が営業ツールに変わります。
課題の整理 → 映像での解決方法 → 構成・内容 → スケジュール → 費用 → 選ぶ理由。
この6ブロックを埋めるだけで、「通る企画書」の骨格ができあがります。
企画書を書く前に
「ヒアリング」が9割
ここまで企画書の構成を紹介しましたが、実は一番大事なのは書く前の段階です。
クライアントの課題を正確に把握するためのヒアリングが、企画書の質を9割決めます。
最低限聞いておきたいことはこの5つです。
この映像の目的は何か(認知?集客?採用?)
誰に見てもらいたいか(ターゲット)
どこで使うか(YouTube?自社サイト?展示会?)
予算感(ざっくりでもOK)
希望納期
ここをちゃんと聞いてから企画書を書くと、的外れな提案になることはほぼありません。
逆に、ここを聞かずに書くと、どんなにいい企画でもズレてしまいます。
企画力は「場数」で伸びる
最初から完璧な企画書を書ける人はいません。
大事なのは、まず書いてみること。
そして通らなかったときに
「何が足りなかったか」を振り返ること。
今回紹介した6ブロックの構成をテンプレートとして持っておけば、
毎回ゼロから考える必要はなくなります。
案件ごとに中身を入れ替えるだけで、
質の高い企画書がスピーディーに作れるようになります。
企画書は
「作りたいもの」を伝える場ではなく、
「相手の課題をどう解決するか」を伝える場。
この視点を持つだけで、
通る確率は大きく変わります。
通る企画書は「クライアントの課題解決」を軸に構成されています。
課題の整理 → 映像での解決方法 → 構成・内容 → スケジュール → 費用 → 選ぶ理由。
この6ブロックと事前ヒアリングを押さえれば、企画の通過率は確実に上がります。